ウキアシタタズ

頑張れたことを頑張って書きます

年末とセット

年末だ。二十数回目の年末が来た。夏や冬、春や誕生日と同じだけ、生きてれば人には年末が来る。

年の瀬に溜まったものを精算するように、世の中はせわしなくなる。冬にこたつが合うように、夏に花火を見るように、年末とせわしなさはセットなのが、私の認識だ。

そしてそんな年末の空気が、私は割と好きである。昔はクリスマスやお年玉、冬休みと楽しいことで溢れるから、好きだった。

歳を取り、サンタクロースの正体を知った。お年玉をあげる側になった。それでもなお、この時期に愛着を持っている。

人によって年末の過ごし方はまちまちだろうが、「年末だから」で行動することというのは意外と多い。

例えば、大掃除なんかはいつでもやれるし、なんなら年末じゃなくてもやるべきだ。

それでも世間は「大掃除」を年末にベストだと考えていて、年末だからこそ、行動に移そうとする。

私が年末を好きでいるのは、そういう「セット」で日々を過ごせるところだ。だらだら過ごしがちな12月にメリハリを付けてくれるのが、「セット」の良さだ。

もしかすると、年末に大掃除をやるのは、年の瀬に溜まった人の怠惰を精算する、ちゃんとした「行事」なのかもしれない。

(おわり)