ウキアシタタズ

頑張れたことを頑張って書きます

アーティストの(笑)に憧れる

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ーーーでは、そういった想いで今も活動を?

ふらすこ:そうですね、僕たちは単純に思っている事を伝えていきたくて。その方法が音楽だったって話ですが(笑)

 

こういうやり取りにおける(笑)の格好良さと青さを兼ね備えている感は何なのだろうか。読んでるだけなのに、自分までふわりと浮いたような感じになってしまう。
今更だが、このブログはウキアシタタズな訳で、浮いてしまうというのは禁忌である。

だがしかし、この(笑)にはそれだけの浮力がある。負けたくないので分析する。

一般的にも(笑)は使われている。私は文を書くと本当にぶっきらぼうになるので、内情を簡易的に伝えられるこの言葉に、良く頼るのだが、以前「おっさんくさい」という言葉に酷く傷付いたので、いまは()をつけない「そうだね笑」のような形に落ち着いた。おっさんくさいって何だよ。

多少ネットスラングが通る相手なら、「www」を用いる訳だがwwwこれもTPOと量を間違えるとwww煽りとしてwwww認識してされるのでwwwwそちらにも留意しているwwww

…百聞は一見に如かずとはよく言ったものである。

 

本題に戻る。どんな形であれ笑っている事を伝えるために語尾に(笑)的なニュアンスを含むものをつけるわけだが、それにはいろんなシーンがあるだろう。

 

一般人の(笑)について
まず第一に文章だけではキツい表現になりがちな時に用いられる。
キツい、というのはそのまま手厳しい、という事だ。

「あれやっといて」
よりは
「あれやっといて(笑)」

の方が良さそうだろう、"アレ"は最早やらなくていいかもしれない、そんな緩さを出せる。いや、やれよ。

あとは、自意識から来るキツさを軽減する用途もある。簡単な話、照れ隠しである。
「俺お前のこと気に入ってるからさ」というセンテンスなんかは、既に書いていて恥ずかしい訳だが、(笑)を付けることで何となくシリアスな感じを避けれるのではないかと期待してしまう。

あと、思いつくのは単純に笑う時くらいだろうか。文章のあとに(笑)を付けると、意味が他にも付与され過ぎて分かりにくくなる。
そのため、単体で(笑)を使うことになる。

「犬のウンコ踏んだ(面白い発言)」
「(笑)」

のような形で、だ。…自分の面白さのレベルが酷く稚拙だと疑われそうなのは、今回は看過しようと思う。

 

ではアーティスト及び著名人の使う(笑)とはどういう意味合いがあるのだろうか。

実はここまで書いていて結論は出ている。
一般人と変わらないということだ。

例えば、総理大臣や官僚なんかが、
「景気回復のために給料全体を引き上げます(笑)」
なんて言った時には与野党問わず国民からも非難を受けることは容易に予想できるし、真剣味を感じない。一億総バッシング社会である。

下らないことを言っている場合ではない。
ただ、そのような人達が(笑)を許されないのは、公人として照れることも誤魔化すことも禁忌だからだ。

そういう意味ではアーティストは一般人の延長線に立っている。だからこそ、照れたり、へらへらしててもいいのである。

アーティストにはファンがいる。同じ一般人だが、同じステージではない。そんな微妙に近くて遠い彼らがヘラヘラしたり、「一般人らしさ」をさらけ出すことで、浮遊感は生み出される。

もうひとつ、基本的にアーティストは才能なり特別感を求められる。そんなことを私たち一般人はそれを求める。その代弁者たるインタビュアーもそうだ。
だから、彼らは答える。一般人だけど、自分の感性の深いところを、その背景を。

しかしやっぱり出てしまう。普段話すことではないから。羞恥が漏れる。自分の想いを吐ききったあと、耳が熱くなるのを感じてしまう。

 

ーーーでは、そういった想いで今も活動を?

「そうですね、僕たちは単純に思っている事を伝えていきたくて。その方法が音楽だったって話ですが。

って、こんな感じでいいですか?(笑)」

 

そんな風にインタビューは行われているのではないだろうか。だとすれば、それは凄く庶民的な感覚なのだと思う。そして、それを青いと笑ったり、私のように浮き足立ってしまうのは、結局受け手の問題でしかない。

私はこの記事を書いて、反省した。彼らもまた、私たちと同じ一般人なのであり、(笑)の中に生きる人なのである。

※それでも鼻につく(笑)を使うアーティストはいる。


でもやっぱり、(笑)をおじさん臭いと言うのは、納得がいかない。
(おわり)