ウキアシタタズ

頑張れたことを頑張って書きます

初夢

新年あけましておめでとうございます。(遅い)
今年もこんなチラシ裏の落書きのようなことを書いていきますが、よろしくお願いします。

もう腐るほど手垢着きまくりな内容ですが、初夢について今回は書いていこうと思います。
というのも、初夢について意識したことが今までなく、たまたまPCを起動したときに覚えていたので、書いてみようかな、というのが事の発端です。では。

 

私は、そんなに仲が良くないはずの三人と薄暗い空間の中、「その時」を待っていた。
睡眠との境目無く初夢の世界に放り込まれた私を除いて、だが。


「お前しかいないんだよ」ベースの彼は無責任に言葉を放る。どうすればいいか分からない状況の中で、不安な私を励ましてくれるのはありがたいが、ベースの君に突然のボーカル不在への助っ人を任されるほどの信頼関係を築けていただろうか。不安だ。

現状、分かっていることは、この三人とこのオーディションを勝ち抜かなければならないということだけだ。しかし、お世辞にも私の歌唱能力及び、スリーピースにおけるギター演奏能力は褒められたものではない。というよりも弾けない。何よりも不安を煽るのは、演目を知らされていないことだ。知っている曲ならともかく、何も知らされないでどうしろというのだ。

一方で、こんな不可解な状況を乗り越えようとする自分がいる事にも気付いてしまう。体育館のステージ裏で、「その時」を待つ三人の連帯感が、信頼関係どうのこうののプロセスをすっ飛ばして、高揚すら感じさせる。

一曲、一曲と演目が進んでいく。激しい演奏の合間の静寂が、いやに私の体を強張らせる。
その時、今まで話さなかったドラムの彼がポツリと呟く。
「絶対、成功させような」
「ああ」
なぜ、明確な返答を、相応しい形で、口走ってしまったのかは、分からない。だけど、私はこの三人で――――。
司会が私たちの名前を呼ぶ、ステージに上がり、視界が広がる。
スポットライトが眩しくて、観客は見えない。そして、これから歌う曲も分からない。

後ろを振り向いて彼らと目を合わせる。そして―――――――。

 

 


「歌います。『天体観測』」

 

 

 

目は、覚めた。
私は困ったときには天体観測を歌う。夢にしては有益な情報なんじゃないか。
今日は2018年1月1日。初夢の、あの二人と過ごしたステージ裏をまだ、覚えている。

 


しょうもないしオチもない。
(おわり)

天体観測 - Bing video