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ウキアシタタズ

頑張れたことを頑張って書きます

チクチクしそうなアレ

「騎士」

になったことが皆さんにはおありでしょうか?恐らくファンタジー世界にでも住んでいなければほとんど無いはずです。

しかしですね…私にはありますよ。

何を隠そう、高校時代に私はフェンシング部員でしたから!

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フェンシングと言えば、マイナーなスポーツですが、結構前に太田雄貴選手がメダルを取りまして、知名度が上昇した剣を使ったあのスポーツです。

 

知名度が上がったと言ってもそれは非常に表面的なレベルであり、複雑なルールと装備を揃えなければいけないという敷居の高さから、

フェンシングを

「きちんと知っているor知らない」

という二極化が激しいスポーツでもあります。

(知ってる人は殆ど経験者じゃなかろうか。)

 

そのため、半端に知識を持つような、

いわゆる「にわか」というものは

ほとんど見たことがありません。

 

そんなマイナー感を払拭しきれていないスポーツですが、

フェンシングをやっていたことを話すと、

「大半の人に同じような質問をされる」経験のあるフェンサー少なくないはずです。(ちなみに私はそうです)

 

ですので今回の記事では、フェンシングに対するありがちな疑問をなるべく解消していこうと思います。

 ちなみに最も「フェンシング」として知られているのは「フルーレ」(後述します)だと思うので、それに則って説明します。

 質問①

「痛くないの?」

まずコレです。100%聞かれます。結論から言えば「人による」という感じです。

下手に突かれたり、手などを突かれると結構痛いです。逆にうまい人、というか実力差が半端ないとあんまり痛くない…むしろ「え?点取られたの?」と雑魚キャラのような状態になります。

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↑雑魚キャラのような状態。腕は斬られません。基本的に「突く」スポーツです。

 出典:http://omocoro.jp/kiji/91164/2/

 

万が一のこともあるので、全身タイツのようなあの格好の下にはプロテクターを付けて試合を行います。プロテクターはナイフでも貫通しないと言われていましたが、恩恵をあまり感じたことはありません。ただ装備しなければ試合に出れないので、意味は確実にあるのでしょう。

 

 質問②

「アレ、どうなってんの?」

かなりザックリな聞かれ方ですが、これもよく言われます。たぶん得点すると光る装置を見た上で、そのあたりのシステムや装備について聞きたいのだと思います。光る装置を見ての通り、このフェンシングというスポーツは得点を判定するために電気審判機を使っています。

 

とっても簡潔に言うと、

審判機(光る装置)→選手→剣

は全て繋がっています。

①剣の先はスイッチになっており、相手を突くことで、スイッチがONになります。

②スイッチが入ると、身につけているケーブルを通り、審判機まで伝わることでランプが光ります。

③このとき、相手の判定面を突いていれば審判機のランプは赤あるいは緑色で点きます。例えば、緑が自分の得点で赤が相手の得点だと考えていいです。逆もまた然り。

判定面を突けていなければ、黄色のランプが点きます。このランプはいわゆる「無効点」というやつです。

※全身白タイツのような格好をよく見ると、胴体の部分だけ銀色になっています。それが判定面です。そこ以外は突いても全て無効点。

 

こんな感じで点を取り合います。

他にルール理解の難度を高めている、「攻撃権」というフェンシング最大の要素がありますが、これは複雑過ぎるので軽く話します。

 

 攻撃権について

試合を見てもらえば分かるのですが、選手同士が同時に突き合って、ランプが両方点くことがままあります。

このときに審判が得点を判断するために使う要素、それが「攻撃権」です。

端的に言えば、同時にランプが点いた場合、攻撃権を所有しているプレイヤーに点数が入ります。ですので、フェンシングは攻撃権の奪い合いであるとも言えるでしょう。これが難しく、そして超面白い駆け引きの部分でもあります。

攻撃権は相手の攻撃を捌いて終わらせたり、相手の剣を叩いたりすることで、得ることが出来ます。試合では大体相手を追っている方に攻撃権があります。

オリンピック等ではものすごいスピードで攻撃権のやり取りが行われているので、未経験者は勿論、場合によっては経験者から見てもヤムチャ視点です。

意味

ヤムチャ視点とは、レベルが高すぎて理解できない、動きが速すぎて見えない状態。
主に、ニコニコ動画で使われる。動画の演奏や内容がすご過ぎて、一般の人にはできない、理解できない際に使う言葉。

出典:http://bosesound.blog133.fc2.com/blog-entry-949.html

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ここまでで既に「スポーツ何やってたの?」から始まるような質問に対する解答として、世間話の領域では不可能だと思います。

 

質問③

「なんかいくつか種類あるよね?」

何気にこの質問をされることが多いのですが、これを聞くと「あれ?意外と知られてるんだな」と驚かされます。おっしゃる通りで、三種類あります。フルーレ、エペ、サーブルという感じです。水泳で言えば背泳ぎとクロールとバタフライみたいなものだと思ってください。それくらい違います。

フルーレ

上記はこの競技に則って説明しました。最もフェンシングとしては日本で知られている競技のはずです。試合人口も日本では体感1番多いです。判定面は胴体。剣は割とグネグネ曲がります。そしてよく折れます。私の高校時代ではフルーレをベースとして練習し、そこから残りの2つどちらかの競技を選びました。

エペ

フルーレでは限られた判定面の話をしましたが、この競技に限っては身体全てが判定面です。どこ突いてもOK。そして唯一三種類の中で攻撃権が存在しません。つまり同時突きも両者の点数になります。ただ、点差が離れている状態で同時突きをし続ければそのままの点差で決着がつくので、それゆえ試合も慎重な進み方が多いです。剣は重くてでかい。

サーブル

1番カッコイイと思うんですけど(偏見)

こちらの判定面はフルーレの判定面(胴体)から腕と頭を増やした「上半身すべて」になります。

剣先にポイント(スイッチ)はなく、刀身全てが判定に用いられます。要は剣のどこかで上半身を掠らせでもすれば点数になります。こちらのみフェンシングで「斬る」という表現を使われることがあります。そして攻撃権に凄くシビアな気がします。そのため攻めてナンボの競技であり、エペやフルーレとは違う緊張感があります。場所にもよりますが、練習内容が最もイカしてます。ちなみに私は高校時代はフルーレからこちらにシフトしました。なので贔屓してます。

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サーブル剣。名前を聞いて一番イメージしやすいと思います。

多少説明の熱にブレがありましたが、あまり気にしません。

 

質問④

「いくらくらいすんの?」

こちらもよく聞かれることでしょうか。当然サッカーのように最悪ボールさえあれば裸でも出来るスポーツとは違い、色んなものを購入する必要があります。ぱっと身につけるものだけ考えても8つ位は必要です。うろ覚えですが、8万くらいした気がします。親に感謝。

 

身につけるもの

マスク(10000~40000円)

エセ宇宙飛行士みたいなマスクです。かなり丈夫で、基本的に買ったらずっと使えます。汗をかきまくるやつは判定面が錆びていたり、あまり人から借りたいものではありません。

また、競技別で種類が異なり、サーブルは頭も判定面であるためにどこも銀色です。フルーレは首元だけ判定面。

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サーブルのマスク。全部判定面です。

 

シルバージャケット(8000~35000円)

サーブルとフルーレのみ必要。銀の部分ってやつであり、ここまで散々話されている判定面はここになります。上記の説明のようにサーブルは腕まで覆える形になっています。フルーレは胴体のみです。これも人によっては錆びます。そうなると突かれても審判機が判定しないというチートアイテムになるので、試合を行う前にチェックが成されます。

 

(組み方によってピンキリ。最低10000円?)

剣を構成する部品全部話すと、自分でも説明出来ないくらい細かいのでざっくりと。

ブレード…刀身です。競技によって異なる。意外と消耗品です。

ガード…日本刀で言うところの「柄」でしょうか。これも競技によって形が違います。有り得ないくらい傷が付く箇所です。

ヒルト…いわゆる持ち手です。サーブルは形に差はありませんが、フルーレとエペはいくつか種類があるみたいです。一般的にはビスコンチとベルギアンが多いと思いますが、この辺はもう覚えなくていいです。(横暴)

ちなみにプレイヤーの個人差が一番出るパーツです。自分の手に馴染むように長さを調整したり、敢えて持ち手を傾けて剣を作ったり…。

まだまだありますが、割愛します。大方この三つを組み合わせて愛刀を作ります。

 

 ユニフォーム(26000~100000円程度)

白タイツと呼ばれるアレです。特筆することはあまりありません。改めて調べると値段差凄いですね…。普通上下セットで買います。

 

プロテクター(12000円程度)

対刺突防御装置。臭いやつはこれが臭すぎる。日常的にこれを着ている機会が皆無なのと、ナイフを振り回す通り魔と会う可能性の低さのダブルパンチで、対ナイフとしての機能を確かめる術はあまりない。ただ忘れると試合させてもらえません。

 

グローブ(2300~10000円程度)

臭いやつpart2。何かしらの革っぽいのでサイズはキツめが結局手に馴染みます。剣を持つ手だけ装着する。

 

コード(3000円程度)

メタルジャケットと剣と審判機を繋ぐ導線のようなものだと思っていて大丈夫です。かなりよく壊れる。なので予備を持つのが常識です。

 

靴とソックス(人によります)

実は指定されたことはありません。それぞれ好きなものを履いています。ただ、滑りやすいのは致命的なピンチを生むのでグリップの効くものが好まれます。フェンシング用もあるらしいです。見たことだけあります。

 

ここまでが個人で用意するものです。

以降は個人で買うようなものではなく、施設に置いてあるようなものです。

 

審判(100000円~1200000円)

色んな種類がありますが、基本構造は変わりません。ただ共通して高価であり、落とすと死ぬほど怒られます。(2敗)

 

リール(50000~70000円程度)

選手が持つ「コード」を延長するものだと思ってください。同様に導線だと思って(ry

 試合を見ると選手の腰あたりから何か伸びていますが、アレがこのリールです。呼び方が合ってるか、唯一不安です。

 

ピスト(80000~1000000円程度)

マットのような細長い試合場です。ゴムだったり鉄製のものだったり、グレードの違いがあります。超絶重いので、一々引っ張り出して練習試合をするようなことはなかったです。

 

ピストを除いてここまであれば試合が出来ます。ハードル高けぇな…。そもそもこれらを用意している体育館やホールが少なく、未経験者が思いつきで始めてみるような手軽さは正直皆無でしょう。

 

おわりに

ざーっと聞かれることとしては、こんな感じです。淡々と説明してはおりますが、私の知り合いには現役でフェンシング続けている友人もいるので、彼らからすればまだまだ至らない説明かもしれません。(保険)

ただ、何も知らない人が何も知らない人に説明する分には、ドヤ顔出来る量の情報量は載せたとは思いますので、機会があればお話してみて下さい。フェンサーとして騙ってもバレません。嘘ですやめてください。

 まだまだ説明出来ていないルールはありますが、冗長になるのもアレなのでここで止めておきます。

最初のハードルさえ超えられれば本当に面白いスポーツです。やってみて、とまではいいませんが、上記の知識を踏まえて(特に攻撃権)試合観戦をしてみるとイイと思います。

 

まとめ:サーブルが一番楽しい

 ※個人の感想です。