ウキアシタタズ

頑張れたことを頑張って書きます

シンガポール、行きました。②

間が空いちゃった…
続きものなのにダメですねこれは…
前記事はこちら。

 http://frasco5936.hatenablog.com/entry/2017/01/21/133057

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3日目

この日の目玉は「USS(ユニバーサルスタジオシンガポール)」ですね。オープン前から遊園地に並ぶのなんて7年ぶりくらいです。オープン5分前くらいから喋りの上手いスタッフが英語でもりあげてくれるのですが、英語力の乏しい私には以下のように解釈できました。

「おはよーッ、闇の者共、光の者共!

「これから楽しんでもらうんだから、エネルギーがなくちゃあいけないね!」

「ウォーミングアップがてら、拍手で各チーム(闇と光の)盛り上がりを見せてくれ!」

「光の者共!いくぜ?せーのっ!」 (拍手)

「いいねぇ!すんげぇpower(ネイティブ)!」 「闇の者共!負けてらんねぇよな?ん?」

「いくぞ?せーのっ!」 (弱い拍手)

「おいおいおいおい…これはいけねぇなぁ…」 「光の者共ッ!お手本を見せてくれ!」 (以下略)

思い出しながら脚色して書きましたので、大部ブレはありますがこんな感じでした。ちなみに当時私が「闇の者共と光の者共」と解釈していたのは本当です。多分間違ってますし、客を闇の眷属呼ばわりは流石に無いでしょう。

※時間が経って考えてみたら、「right」と「light」を勘違いして光だと思ったんじゃないかと思います。アホ過ぎる。

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乗ったもの

これ凄いっすね。USJで言うスパイダーマンだと思います。行ったことないので曖昧ですけども。浮遊感がクセになるか吐きたくなるか、二択を迫られます。意外なのはトランスフォーマーと言えば日本でもよく知られているし、相当並ばなきゃまず乗れないと思いがちですが、平日なら1時間で乗れます。しかもそれがピーク時だったっぽいので、その後2回目は10分とかで乗れました。決してクオリティが低いわけじゃなく、単純に混んでいない。

こちらも日本なら気が狂うほど待たなければ乗れなさそうですが、体感20分くらいで乗れました。水に濡れる系のアトラクションです。座る場所によってはアホみたいに濡れます。私はそうでした。向かいの席の女児に知らない言葉で笑われたのが印象的です。

  • revenge of mummy

エジプト的な雰囲気のエリアにありました。枠としてはTDLのスペースマウンテンって感じです。暗い中をジェットコースターで突っ切るイメージ。近くでアヌビスマンと写真撮れるのも魅力です。イケメンボディ過ぎる。

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↑真似できなくて江頭2:50みたいなのが私です

「踊るの好き好き!」で有名なやつです。USS内だと子ども人気が高そうなアトラクションな気がします。私自身のテーマパーク経験がないので例えるのがTDLくらいで申し訳ないのですが、これはTDLのイッツアスモールワールド枠です。「歳をとると良さがわかるアトラクション」なんて言われていますが、こちらマダガスカルも同じようなものでした。良さが分かる…ってよりは単純にゆったりしてるので、「癒し」という側面の方が強いと思います。

 

これだけちょっと原作が分からなかったのですが、ヒューマンとサイロンという二種類のジェットコースターが対になってます。このUSSの中だと1番スリルがあるアトラクションでしょう。二つとも乗りましたが、体感サイロンの方が怖いです。

他にもいろいろありますが、割愛。

システム面で驚いたのは、人気アトラクションには手荷物を預けるためのロッカーが付いていることです。ジェットコースターの類はほとんどが手荷物NGなのでスタッフには「そこに預けてこい」と指さされます。んで、このロッカーが特徴的で、1時間まではタダなんですよね。まぁ毎度毎度金とってたらタチ悪いのですが、待ち時間と延長料金までの時間がぎりぎりなので、一回アトラクションに乗る度に焦ります。

何より危なかったのは、全員が財布ごとロッカーに入れたせいで「延長した場合取り出せなくなる」状況になったことです。言葉もあまり通じないので、本当にそうなってたらヤバイヤバイ。

 

遊園地の帰りといえばお土産ですよね。観光客が多いのもあってUSSのお土産コーナーはかなり充実してました。USSにいたキャラクター達はもちろんですが、お菓子の類の充実感は半端なかったです。Hersheyのチョコレートやジェリービンズ、気色悪い色のマシュマロまで外国のお菓子天国でした。極彩色とはまさにこのこと。

外国のお菓子が好きな人ならUSS行かずにここだけでも十分楽しいです。Hershey棒太郎(適当)とかもいて写真を一緒に撮ってくれます。私は着ぐるみ全般が怖いので普通に断りました。

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断りました。(写真は私じゃないです)

 

帰りは夜くらいになりまして、やっぱり夜景が綺麗なのがシンガポール。横浜の工業地帯によく見られる「通称:麒麟がこちらにも建ち並んでいました。飛行機でシンゴジラ見たのもあって庵野節を連想させますね。

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4日目
シンガポール滞在もこの日が最後です。リトルインディアに向かいガチのカレーを頂くところから私たちの1日は始まりました。私たちが頼んだスペシャルカレーは、オーダーが入ること自体珍しいらしく、若干店員とお客さんがはしゃいでました。自分の携帯で全く関係ない私たちを撮るのだから、余程なんでしよう。美味しさは文字通りスペシャルでした。

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↑色んなスパイスを楽しめる。真ん中のはナンのようなもの。

食後はセントーサ島にまたも行くことに。目的は水族館です。最近水族館でのクラゲ人気が凄いということで、若干の期待を持ちつつクラゲコーナーに足を運ぶと、やはりクソ綺麗でした。流行る理由はわかる気がします。

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なぜかポケモンのイベント会場も隣接していたので、ついでに寄っていくことにしました。
日本人?と聞かれ、なら上級コースでも平気だな、と案内されました。日本人はみんなポケモン上級者という認識なんでしょうか。

そんなこんなで4日目終了。アンカービールでこのシンガポール観光はシメました。5日目は殆ど移動なのでカァット!

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↑飲みやすいぞアンカービール。

おわりに
シンガポールはいい所でした。というか、汚い場所がほとんど無いですね。観光に特化しているせいか、割と旅行初心者でも楽しめるのがgoodです。ただ一つだけ注意しなければならないのは、物価は日本と大差ないのでアジア圏だと思ってナメていると、財布に痛手を受けることになるでしょう。あと暑い。
夜歩いても治安がいいので安心ですし、夜景も最高なのでその辺も楽しめるポイントでしょう。あー楽しかった。(おわり)

シンガポール、行きました。

はじめに

激しいバイトとの戦いの末、多くの報酬を得た私は以前から計画していたシンガポール旅行を実行に移すことになりました。(実際はかなり前から準備していましたが)旅行慣れした友達がかなり安く用意してくれたので、2泊5日という厳しめのスケジュールで楽しめました。ぜーんぶひっくるめて7万円なんで安いと思います。ちなみに人数は私含めて四人いました。

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1日目-2日目

出発は成田空港なので、遠い。遠すぎなので、ずっとポケモンやりながら暇を潰していました。最新作サンムーンで好きなポケモンはダダリンです。到着して友人と合流した後飛行機に乗り込みました。今回の旅行では北京で乗換が必要だったので、6時間くらいで北京で降りました。その後5時間ほど空港で時間を潰して、夜の12時に出発、また6時間ほどで到着。
これ友達いたから楽しかったものの、乗り合わせ含めて時間もったいなさ過ぎですよね。飛行機の乗り換えは2度と使わんぞ!安かったから良いけど。


朝6時に到着し、スペシャルパスとやらで早くからホテルにチェックインできるということで、時間通りにホテルに行ったものの、受付のおっさんに
「あぁ?それ予約してくれたのね、どうも」
でもでもでもね、前の客まだ居るから」
「11時まで飯でもくって時間潰してこいよ
と言われ(超意訳)、外国特有のガバガバシステムを見せつけられました。

 

仕方がないのでホテルに荷物を預けて、シンガポールの街を歩き回ることにしました。
割と都市部と近かったので、ビル街やマーライオンまでサクッと着いてしまい、結局散歩ではなく普通に観光になっちゃいました。シンガポールの中にはいくつか〇〇街のようなものがあり、チャイナタウンリトルインディアなど各国の雰囲気が思いっきり漂う空間があるのも特徴的でしたね。チャイナタウンとかホント中国そのものでしたし、住む人によって街の雰囲気って作られるんだな…なんて思います。

↑チャイナタウン一角。売ってるものも中国感MAX。


さて、都市部なんですが、これがもう超ビル街なんですね。金の匂いがすごいんですよ。走ってる車ほとんど外車だし、いろんな物事がここで動いてる感が半端なかったです。そして呑気に水を吐き続けるマーライオン。結局マーライオンが何者で、何故あの姿なのかは分からなかったので、何らかの守護神というポジションなんだということにしました。あと一体だけじゃなくて沢山いるし、よく分かりません。

次は観覧車(約2800円)に乗りました。いくつになっても高い所は楽しいですね。結構独特な形で、2~3グループ相乗りなんですよね。その分大きいんですが、「わざと揺らしてビビらせる」みたいなのが出来ないのは残念です。ただ下以外全面ガラス張りなので、そんな事しなくても怖い人はかなり尿を漏らしそうになります。

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↑高いよ、高いです。


お腹も減ったので、現地特有の飯を食おうということで「ラクサ」(約600円)たるものを食べました。柔らかい麺に……グリーンカレー?というかココナッツのようなスープを足したラーメンみたいなものです。見た目より全然辛くない。それよりセットで頼んだ烏龍茶が熱すぎる。こっちの言葉が不自由でも、普通に考えてラーメンとホットの烏龍茶飲まないだろ!辛くないのにエラい汗かきました。

↑ラクサ。見た目が辛すぎる。


腹ごしらえも終えたところで、観覧車に乗っていて見えた、巨大な植物園に行くことにしました。それはどうみても「マザープラント」みたいなボスがいるダンジョンにしか見えません。根を先に倒してリジェネ(自動回復)を出来なくしてから倒すやつだと思います。実際に入ってみると、日本にないような植物ばかりだったので、普通に楽しめる場所でした。あと遠くから見えていたマザープラントの根(仮称)は近くで見ると雰囲気オシャレでした。あとこれは人工物のはずなんですが、どうしてこんなに植物感を出せるのかが不思議な感じです。シンガポール行ったら寄っても良い場所でしょう。

↑マザープラント。気持ちのいい場所でした。


夜はやっぱり夜景が良かったですね。私自身の夜景リストは新宿くらいしかなかったので、シンガポールの夜景は新鮮でした。なんかゴージャス☆だよね。ビル立てまくったみなとみらいみたいなモノを連想して欲しい。

iPhoneでもこんな感じだから一眼で撮りたかった…


んで、ディナーはチリクラブでシメました。ちなみにチリクラブ(約12000円)というのは、蟹をチリソース塗れにしたもので、異国の地だろうが普通に高いです。チリソースの美味さが最高でした。ついでに炒飯頼んでたので、これも美味しかった。多分どれ頼んでも美味しかった。

↑チリクラブ。ごちそうさまでした。

そして眠る。
(つづく)

バイト

はじめに

みなさん、あけましておめでとうございます。
遅いですね……。この挨拶が皆さんにとって何回目なのかは分かりませんが、私は今年32回目に言いました。
年末年始、みんなゆっくりしたかったですよね。しかし現実は非情なもので、飲食・サービス業は年末まで、そして年始からお仕事が始まってしまいます。その上学生はクリスマスにはシフトを全然いれられないから、社員の方にそのしわ寄せが…なんて状況はよく見ます。今年はノロウィルスや風邪が流行り、さらに人員不足が加速したのではないでしょうか。
私の働いているバイト先もまさに同じ状況になってしまい、大変だったのでその時の話をします。

「大変」といっても、恐らく一般的な「大変」であって、社会人にとっては大したことじゃないかも知れません。私がそれでもここに書こうと思うのは、それなりに気付きがあったからです。
そういう意味では
「当たり前だろ!ただ気持ちはわかるかもな」
という風に読んでもらったら良いかなと。それでは、よろしくお願いします。

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前提
私が働いているバイト先はカフェです。ホールとして動くことが殆どで、まさに接客をしている感じでしょうか。
あと、ほぼ有り得ませんがこの記事をバイト先の人が見ていたら、色んな意味であまり気になさらないで下さい。

 

社員ってのはすげーんだ
私は今回、代打として非常に長い時間をお店と共に過ごしました。結果としてめっちゃ疲れたし、もうこんな無茶はしたくありません。でもですよ、社員の方って結構ロングで働きまくってるんですよね。なのに代打でしかない私が疲れている所を労わってもらったり、凄いリードしてくれるんですよ。自分たちだって疲れていない訳が無いのに、ホントもうすげーよって感じです。

働くことって飲食業に限らず大変なことだと思いますが、人間キツくなってくると余裕がなくなって自分のことばかりになりがちですよね。だからこそ今回は周りの大人の余裕を思い知らされました。余裕は魅せるためにあるのよ!

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体調管理は誰のために
今回代打になることで連勤を強いられたのですが、例えば代打である私が体調不良を起こせば、今度は社員さんや他の人にそのしわ寄せがきます。

「体調に気を付けてね」という言葉は、「体調を崩すと本人が辛いだろうから〜」と相手本人を直接気遣うような意味合いが強いと思います。しかし本当に体調に気をつけることで救われるのは、自分ではなく周りの人です。風邪を伝染すとか、そうじゃないかって問題だけじゃなく、人と関わっている以上、空いた穴を埋めさせる苦労をかける、そこにポイントがあります。特にそれは仕事であったり人員が必要なものほど顕著でしょう。

体調に気を付けてね、という言葉は誰かに言われてナンボ感がありますが、私は自分に言い聞かせるための「戒め」であると思います。

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↑マスクの意義を考える

コントロールできる「無理」をしよう
最近では電通の問題があったり、ブラック企業云々の話が盛んにされています。明確な線引きこそないものの、過酷な労働条件に苦しめられる人がいるのは事実であり、解消すべき問題です。ただ私が思うのは、「人間多少の無理はしてみないと、成長はしないな」ってことです。

高校時代の過ごし方は人それぞれだと思いますが、私は部活…フェンシングをやっていました。

チクチクしそうなアレ - ウキアシタタズ


そこでは色んな「無理」を自分に強いるシーンがいくつもありました。キツイ練習を続けていくこと、人間関係、上下関係、言葉遣いなど、他にも帰宅部であれば感じることもないような無理はしてきたつもりです。当時はとにかく付いて行くことばかり考えていたので、それらを「無理をしている」なんて微塵も思ってもいませんでしたが、今になって思えば結構自分に負担をかけていたんだなと。

ただ、それらの「無理」は非常に充実した時間と成長を私に与えてくれました。「キツそうだからやらない」と最初から無理を避けようとしていたら、今の私はいません。勿論部活に強制力はない上、辞めようと思えばすぐに辞められるという点では、仕事とは異なります。しかし、無理をしなければ自分の体力の限界はいつまで経っても変わらないままです。出来ないことは出来ないままです。

話を元に戻すと、ブラック企業だと言われるモノは超絶過酷な状況に加え、その「無理」をコントロールできない(させない)ことが問題であると私は考えます。幸い、私が働いているバイト先は本当にいい人ばかりだし、辛いといえばすぐにでも心配して対応してくれるような場所です。だからこそ、自分で負担をかけていく作業が必要なんだと思います。コントロール出来る「無理」というのはそういう意味です。ロングでシフトに時々入るのも、率先して代打になるのことでも、人が少しでも避けるものに敢えてぶつかっていくのもアリなんじゃないかなーなんて。

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↑最初はまず頑張ろう。

限界の時こそ踏ん張れ
限界が近づくと、人は余裕がなくなる。なんて話を先ほど少しだけしましたが、余裕がなくなると自分の負担にならないように振る舞うようになり、普段言わないようなこともグダグダ喋るようになるんじゃないでしょうか。今回はかなり忙しく愚痴を垂れる暇もなく働き続けたので、そんなこともなかったのですが、普段疲れると「つかれたー」なんて言って周りに頼っちゃうこと、ありません?
そんな自分が嫌だと気付き、疲れてるのは自分だけじゃない。と言い聞かせて、身を引き締めるようにしました。根性論も馬鹿にならないもので、職場の士気や雰囲気を下げないために必要なことです。そういうものが良くないという立場もあるのは知っていますが、それでもやっぱり、人の前でため息はつきたくないものです。社会が変わるしかないね☆

 

まとめ
今回は記事というより、働いていて思ったことを書きまくった感じになってしまいました。別に特定の目的のもとで書いたという訳でもないので、反省はありません。静岡の時も、穴の時もそうですが、やっぱり自分のキャパシティを超えてこそ発見がありますね。それこそコントロール出来る無理、という意味でこの記事とリンクしてくるかなーと。

ちなみに、これで資金を貯めることに成功したことで友人とシンガポールに行けました。それについてもまた書こうと思いますので、どうぞそちらもよろしくお願いします。(おわり)

穴を掘ったよ

ずいぶん前の話ですが、私は友人と穴を掘りに行きました。読んで字の如く、穴を掘りに行ったのです。今でもよく覚えていて、楽しい思い出だったので、今回はそれについて書きます。

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きっかけ

友達が発案者です。最初に「穴を掘らないか」と言われた時には流石に面食らいましたが、何故か断ることも出来ず、そのまますんなりと受け入れてしまったのがスタートです。メンバーは発案者(以下A)と私、そしてもう1人穴掘りが好きそうな奴(以下B)を呼んだら案の定乗っかってきたので、その3人で地面を抉り続けるハメになりました。

こんな物言いですが、発案者である彼ともう一人にはとても感謝しています。自分ひとりでは穴を掘ろうなんて思いつきませんし、たかが穴掘りでも気付けることがあると思い知らされたからです。 

準備

前もって言っておくと、私以外の2人(特にA)はとてもフリーダムな人たちです。そのため余裕で遅刻したり、犯罪者みたいな格好で来たりします。

発案者のくせに1時間遅刻したAのせいで、私は1人でシャベルを探すハメになりました。しかしシャベル(小)はあっても、大きいものは高く、無意味に穴を掘ることに払う対価としてはあまりに大き過ぎました。それに巨大なシャベルを持って歩いてなんていたら、どう考えても怪しいです。何らかの証拠隠滅を目論むような人物だとは思われたくはありませんでした。

そうして悩んでいるとき、Aがのこのことやって来ました。タンクトップ1枚に何か大きなものを背負っています。なんでしょうか。それは大きなシャベルでした。なんでそんな死体遺棄しそうな格好で来るんだ…。私が警察ならすぐに彼を職務質問するでしょう。そうして全員集まると、私たちは海岸に向かいました。

試練

昼頃集まったので、海でも見ながらご飯を食べようということになり、みんなそれぞれが好きなものをコンビニや付近のお店で購入しました。

結果から言いましょう。

全員の食料の半分が鳥の餌に消えました。

あのさぁ…餌与えんなって看板に書いてあるよね?餌与えてる間にビニールごと持ってかれたじゃん!A一人だけが滅んだならまだしも、私の食事も消えました。どうしてくれるんだ…。ちゃっかりBは守ってました。ヨコセッ!

始動

お腹が満たされることもなく、満点の日差しの中で穴を掘れる場所を探します。場所としては、掘っていて迷惑にならないところで荷物を管理しやすい、海岸の端っこの方で始めることになりました。これは英断だった。

そうび

巨大シャベル・潮干狩りの道具・小さいシャベル・サングラス

なぜAが潮干狩りの道具を持参したかはよく分かりませんが、彼の母のせいにしていたのは覚えています。どういうことだよ…。なんにしても巨大シャベル以外はあまり使い物にならず、役割を交代しながら掘り進めていくことになりました。掘る担当・砂運び担当・休憩とローテーションさせながら私たちはひたすら下に向かっていきました。

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↑潮干狩りのアレ。当然1ミリも掘れません。

挫折

穴を掘る理由も見つからないまま、私たちは同じ作業を淡々と繰り返していました。するとどうでしょうか、最初は窪みだった「それ」はいよいよ「穴」と呼称しても違いない姿へと変容を遂げつつありました。入ってみると腰が見えなくなる位の高さでしょうか。テンションの上がった3人は写真撮影などをして盛り上がっていました。しかし不幸にも数十メートル離れた所でショベルカーが一瞬で人ひとり分の穴を生み出すのを目にしてしまいます。俺らのこの時間は何だったのか…。あちらには目的も、それを確実に達成させるだけの力もあります。

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↑力こそパワーなんだよ!

……とそんな風に思っているのは私だけでした。Bはアニソンをガンガンかけながら掘ってましたし、Aは1人で砂風呂を堪能していました。実際私もそれほど意気込んではいなかったのですが、

「気張らないでいけるところまでいく」みたいな彼らのスタンスが好きなんだなと気付かされます。彼らの基準は「自分がいかに楽しめるか」です。もちろん「他人の目」が大事なシーンは多くありますが、それに疲れている人も少なくないはずです。例えばSNSだったり、就活だったりね。

そんなことを考えつつ、1人で海を見ながら黄昏ている私を彼らは容赦なく巻き込んで、また作業は始まります。

達成

後半戦になり、疲れてくることで無心で掘るようになった結果効率が良くなる。という悲しいサイクルを繰り返し、ついに3m程の深さの穴を完成させました。

穴の底で空を見上げるとハッとします。

「怖い」と。

砂が崩れてきそうとか、そういったモノへの恐怖とは違う、根源的な畏れがそこにはありました。Aはこの恐怖感を「鬱になる」と表現していましたが、確かに一理あります。

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↑一見出れそうですが、地面にスコップを刺して、その柄に乗っているので非常に不安定です。そして滑り落ちて鬱になるの繰り返し。

まず周りの音が聞こえない。そして四方が囲まれており、自力での脱出は難しい。こうしたことが恐怖を誘うのかは分かりませんが、この画像を見てもらえば少しでも伝わるでしょうか。

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↑怖い…怖くない?

「こんなおぞましいもの、消さなければ」

そんな使命感に駆られ、私たちは封印を決意します。しかしタダで埋めるのもつまらないので、人柱を用意することにしました。ジャンケンで負けた人物を埋めなければいけない。そんな強い決意がありました。結果としてはBが敗北、尊い犠牲者第1号です。埋まれ!

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↑発掘現場と化したB氏。ヨイコハマネシテハイケナイヨ。

砂浜で縦に埋まってる奴を私は初めて見ました。身動きの取れない彼で散々遊んだ後、救出に取り掛かろうとしたのですが、これ滅茶苦茶時間かかるんですね。結局日は沈み、完全に撤収したのは19時前くらいでした。掘りすぎィ!多少ギャラリーも湧いてました。

終焉、そしてーーー。 

穴を掘り、そして埋める。一見何も生まれないし、何かを失ったわけでもない。そんな無価値な行為を全力でチャレンジした私たちは何故か満たされていました。傍からすれば無駄そのものなんですが、私たちにとっては…少なくとも私には得るものがありました。

どんなことをやるにしても、それを充実させたり、面白くするのはその人自身なんですよね。無価値だも思うものに価値付けし、意味を見出すことが出来ると知りました。つまり、本人の心の持ちようで、つまらないことも有意義に出来るということです。逆に無価値だと思って惰性で実行していることそのものこそ無価値です。当たり前ですが。

生きていて実利的に得をする、損をするとか、そういうのも悪くないですが、本当に心の持ちようだけで「得だと思うこと」は増やせますし、「損だと思うこと」は減らせます。そういう自己満足を私はこれからもしていきたいと思った出来事でした。

最後だけ真面目に終わらせようとしましたが、この穴掘りは今後人には絶対勧めません。そしていないとは思いますが、絶対に真似しないで下さい。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160813/k10010634691000.html

穴掘ってしばらく経った後のニュースです。無謀な行為は……やめようね!(警告) 

 

クリスマスとリア充の関係について

こんばんは、ふらすこです。クリスマスについて考えてるとどうしてもリア充の存在がまとわりついてくるので書きました。

はじめに

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きらきらだぁ!(無邪気)
今年も早いものでもう12月です。それはつまり、クリスマスが到来することを意味します。
今はSNSが普及して、イベントがあるごとに世間がどんな反応をしているのか、スマホ片手に見れるご時世です。正月やハロウィンはそこまで人々の反応に差はありませんが、クリスマスだけは何故か反応が極端に割れますよね。

素直に喜んでいる人もいる一方で、身内でも殺されたのかと言わんばかりに恨む人もいます。
中には「クリスマス」という事象そのものを認知出来なくなっているケースも少なくありません。また、こういうスレッドをよく見かけるようになりますが↓

【速報】2016年クリスマス中止のお知らせ

中止するものではありませんよね。(現実)

そんな賛否の別れるクリスマスですが、大衆はリア充か否か」という価値基準で持ってそれを良いか悪いかを判断しているのではないでしょうか。今回の記事ではそんな仮説を基に、クリスマスとリア充の関係性について考えていこうと思います。

リア充について

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「リアル生活が充実してる」が恐らく正しい名称でしょうが、現在ではその人のステータスとして語られることも多いでしょう。

普通に考えれば、現実が充実するための条件に「彼氏ないし彼女がいること」は十分条件であって、必要条件ではないと思うのですが、リア充であることを指摘される場合、クリスマス手前のときは、大半において恋愛関係の人間がいることが共通認識でしょう。

異性の存在の有無だけでない、本来の意味において、充実した生活を送っている「真のリア充という言葉も以前見かけたことがあります。こちらが正しいのだと私自身も思わなくはありませんが、世に使われる「リア充」と差別化するならば、こちらは「広義におけるリア充であると言えるでしょう。

そんなリア充という言葉ですが、なぜクリスマスと深い関わりがあるか、考えたことはありますか?クリスマスというイベントがリア充のためにある、そういった認識が日本において成されていると私は考えています。

クリスマスにおける「リア充」への認知

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巨人の星にて。これは…。 

クリスマスに限らず基本的に、季節の行事ははみんなのものです。誰かのものであったり、取ったり取られたりするものではなく、楽しもうとした人が楽しめるシステムになっています。
ハロウィンなんかは特にそうですよね。誰でもやろうと思えば仮装できるし、「合言葉」も使えます。
七五三や成人式というようものが反論として挙がるかもしれませんが、基本的に指定の年齢まで生きていれば誰でもイベントを通過点として享受できます。

クリスマスも同じように平等のはずですが、何故か「リア充」であることが強調されて物語られます。クリスマスで1人であることを「クリぼっち」と称するほどに「クリスマスとは誰かといるもの」という前提条件が見て取れます。

クリスマス前の女子大生の話を聞いても、
「どうしよ〜クリスマスまでに見つけなきゃ〜」
というような話を耳にします。文脈から鑑みて、クリスマスを共にする彼氏を探さなければならない、という見えない何かに強迫されているように見えます。

その点、リア充であればそんなことを心配する必要はないのでしょう。また、何かに焦っている彼女たちの存在の一方で、リア充であることを気にしない人たちもいます。

  • こども

サンタさんにプレゼントをもらえる最高にテンションのあがるイベントです。年始のお年玉もあり、もうワクワクで仕方ありません。リア充を本当の意味で認知していません。多分。

  • その親

ある意味で既にリア充ですね。そういった点から書く必要はなさそうですし、こどもを持つ親が

「あぁ^〜妻いるし俺はリア充〜」
なんて考えている人はいない…と思います。
自分がリア充であるかどうかはもう視野から抜け落ちています。それでいいと思いますが。

  • ひとりの人

人間は社会的動物です。こんな人は存在しませんが、クリスマスを誰かと過ごすということに価値の重きを置いていない孤独な人物であれば、リア充云々抜きにクリスマスなんて余裕でスルー出来るでしょう。

そもそもリア充かどうかを気にするのは、主に学生が多いと思います。そうなると今度は「なぜ学生はリア充でありたいのか」という疑問が浮かび上がります。機会があれば書いてみますが、今回はパス。

 

クリスマスとリア充の結びつき


さて、リア充を気にする側の話に戻そうと思います。なぜクリスマスはリア充に特化しているように見えてしまうのでしょうか。

  • 総合的にロマンチック

恋愛においてロマンチックなのは大事です。どう大事で、ロマンチックさがどう恋愛に作用するかは知りませんが、ロマンチックなのは恋愛に向いています。そう思いませんか?

イルミネーションは綺麗だし、気温の低さは互いの距離を縮めますし、プレゼントは相手への気持ちを伝える素敵な手段です。これらは全て、ロマンチック度の高い現象及び雰囲気だと思われます。そうした異性との様々なチャンスとしてクリスマスは恵まれたイベントであると言えるでしょう。

  • お金がまわる

下世話な話ですが、リア充が相手に素敵な思いをさせようとすればするほど、それに準ずるサービスを提供している企業が儲かります。
そして、誰に対しても特別な日にはちょっと良いものを…と思うのが世の常です。つまり店や会社にとっては商品を売るチャンスです。

バレンタインにも同じことか言えますが、経済の視点から見てもとってクリスマスは特別な日です。食事やイルミネーション、夜景などロマンチックな環境を提供し、リア充たちの成功を手伝うことが企業自身にとっての使命です。企業の多くがそのように取り組めば、社会の景色は変わります。クリスマスがリア充のためのように見えるのは、そうした影響もあるでしょう。

上記がクリスマスをリア充に特化して見させる理由だと思います。慣習とビジネスの繋がりは非常に強く、これからも「クリスマス」という景色を作っていくのでしょう。

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↑そしてその景色を作る人たちは…。

まとめ

フリー素材の「いらすとや」のせいで闇が見え隠れする内容にはなりましたが、こうして書き起こしてみると、文化や慣習がビジネスにとってどう影響しているのか、大学の授業を真面目に受けたくなってきますね(?)。リア充というテキトーそうに見える問題でも、ガンガン掘り下げて考えると、見え方も変わります。それだけで私にとっても、日本にとってもリア充は必要な存在なんだと確信しました。

同時に結論として、家族にとっても、企業にとっても日本の人口問題から見ても、1組のカップルから考えてもクリスマスは必要なのだと思います。

総評:くりすますの ちからって すげー!

 

以下番外編

(書いたものの気に食わない。しかし消すのも嫌なので、番外編にしました。さらっと読んで下さい。)

なぜリア充は爆発しなければならないのか

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リア充がよくリア充に対して当たり散らす時、「リア充爆発しろ」とよく耳にします。爆発することを願い、祈る。これがどういった気持ちなのか図りかねますが、強い怨恨を感じます。ただ最近では嫉妬だけの意味ではなく、「末永く幸せに…」という優しい願いを込めた爆発もあるようですが、爆発したら危ないし、死んじゃいますよね。それに少子化が進んでしまいます。

マジレスはさておいて、非リアにとって本当にリア充は爆発してほしいのか、それをパターンとして分けてみます。

  • 言葉として使いたいだけ

大抵このパターンです。本当に恨んでいるわけではなく、ネタとして「爆発しろ」と乱発しています。本当は友達もいるし、孤独を感じている訳でもありません。それはまぁ良しとして、場合によってはリア充A群→リア充B群に対して使うことも散見します。その馴れ合いこそ顰蹙を買っていいのでは?と思わずにはいられません。

  • ネタ半分、負の感情半分

ネタとして使われることの多い「爆発しろ」ですが、自虐ネタとして使ったつもりが自分に跳ね返ってくるケースもあります。内心では自分の非リア加減にうんざりしています。自虐ネタがネタとして機能していないです。見ていて切ない。

  • 純度の高い負の感情

爆発しろ、という生易しい表現では収まらない激しい憎悪がここにはあります。文章として描き起こせばそれは最早呪詛と区別できません。ゆえに見かけることもあまりありません。藁人形など高度な呪術を用いて実害を与えようとしています。過去に何かあったのでしょう。

 

こうして考えてみると、ネタとして使うことが大半で、そのなかで少数は傷付きつつ、さらにごく一部はSNSに浮上することもないまま、怨みだけを積み重ねているのではないでしょうか。(おわり)

 

好きな飲み物

好きなものについて聞かれて、パッとお話することが苦手なので書くことにしました。

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好きな飲み物

ルートビアドクターペッパーが好きです。他にもガラナ的な飲料を好んで摂取します。みんな不味いと言うけれど、私もはじめはそうでした。2度目以降なぜ不味いと思ったものを再度購入したかは覚えていませんが、2度目にチャレンジする私の姿勢があったからこそ今の自分がいるのだと思います。大袈裟なことがあろうか、いやそんなはずはない。(反語)

その理由

味は当然として、私はそういった飲み物の「在り方」に好感を持っています。不味いと言われようと、一部の狂気的なファンのために製造を続けるその姿勢。そして狂気的なファン以前に
「これは美味しい!売れる!」と判断を下した製品開発部のネジの抜け方というか、一貫性のある志が素晴らしい。

コーラや三ツ矢サイダー、カルピスなどいわゆるメジャーな飲み物も好きですし、普通に飲みます。私が気に食わないのは、それらを無条件に好む飲み手のいい加減さです。飲み手なんて言葉は今作りましたが、本当に好きな飲み物なら何ダースかまとめ買いしてみろよ!オォイ!

  

というのはさておき、今一番好きな飲みものは何かと言うと、現状ではルートビアです。このブログ一回目の投稿で少し触れましたが、通称飲むサロンパスです。絶対糖分が飽和水溶液的な状況になっている、殺人的な甘さも特徴です。あいつに出会ったのは…そうだな…。(遠い目)

 

邂逅

元々ジャンキーな感じは好きで、中学・高校時代はいつもドクペを飲んでいました。しかしタイムリープアニメの影響で飲んでいるのではないか?と噂されるのが非常に嫌で、私は次のブツを探し求めていました。高校の修学旅行では沖縄に行ったのですが、そこで見慣れない飲料を見つけます。

茶色の缶、「ビア」と書いているのに「これはお酒です」のマークが付いていない。不信感、疑惑、背徳、   そして少しの狂気を孕みながら、重く淀んだ空気がその"飲料"から漂っていました。

私はこれを見た時「こどもびいるの類だろう、面白いしネタとして買っていくか(お気楽)」そんな軽い気持ちでレジに持って行ったことが始まりでした。

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↑こちらはこどもびいる。調べてみるとこちらもいいセンスしてんねぇ!1度飲んでみては?

詳細:https://www.tomomasu.co.jp/kodomo/


実際飲んでみると、ビックリするくらい不味い。友人にも勧めましたが、先に私のリアクションを見たせいで誰も飲もうとしない。ルートビアを晒しものにしたのです。今にして思えば、何たる不遇!何たる暴挙!何たる醜悪!…今となっては申し訳無さでいっぱいです。

君と将来の話をしよう


私のこれから行きたい場所の一つとして、沖縄県にしかない「A&W沖縄」というお店があります。そこでは、

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現代社会におけるユートピアかと。なぜ沖縄しかないのかと。沖縄に対する羨望と嫉妬がこの私を満たしていくのを隠しきれません。
「さわやかのハンバーグ」を抱えて離さない静岡県にも同様の感情を有しています。

なので、今度の一人旅の候補として沖縄県は是非行ってみたい場所です。多分また沖縄内では徒歩だと思います。

まだまだ知らない飲料もありますし、ぜひ教えて欲しいです。すぐ挑みます。

チクチクしそうなアレ

「騎士」

になったことが皆さんにはおありでしょうか?恐らくファンタジー世界にでも住んでいなければほとんど無いはずです。

しかしですね…私にはありますよ。

何を隠そう、高校時代に私はフェンシング部員でしたから!

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フェンシングと言えば、マイナーなスポーツですが、結構前に太田雄貴選手がメダルを取りまして、知名度が上昇した剣を使ったあのスポーツです。

 

知名度が上がったと言ってもそれは非常に表面的なレベルであり、複雑なルールと装備を揃えなければいけないという敷居の高さから、

フェンシングを

「きちんと知っているor知らない」

という二極化が激しいスポーツでもあります。

(知ってる人は殆ど経験者じゃなかろうか。)

 

そのため、半端に知識を持つような、

いわゆる「にわか」というものは

ほとんど見たことがありません。

 

そんなマイナー感を払拭しきれていないスポーツですが、

フェンシングをやっていたことを話すと、

「大半の人に同じような質問をされる」経験のあるフェンサー少なくないはずです。(ちなみに私はそうです)

 

ですので今回の記事では、フェンシングに対するありがちな疑問をなるべく解消していこうと思います。

 ちなみに最も「フェンシング」として知られているのは「フルーレ」(後述します)だと思うので、それに則って説明します。

 質問①

「痛くないの?」

まずコレです。100%聞かれます。結論から言えば「人による」という感じです。

下手に突かれたり、手などを突かれると結構痛いです。逆にうまい人、というか実力差が半端ないとあんまり痛くない…むしろ「え?点取られたの?」と雑魚キャラのような状態になります。

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↑雑魚キャラのような状態。腕は斬られません。基本的に「突く」スポーツです。

 出典:http://omocoro.jp/kiji/91164/2/

 

万が一のこともあるので、全身タイツのようなあの格好の下にはプロテクターを付けて試合を行います。プロテクターはナイフでも貫通しないと言われていましたが、恩恵をあまり感じたことはありません。ただ装備しなければ試合に出れないので、意味は確実にあるのでしょう。

 

 質問②

「アレ、どうなってんの?」

かなりザックリな聞かれ方ですが、これもよく言われます。たぶん得点すると光る装置を見た上で、そのあたりのシステムや装備について聞きたいのだと思います。光る装置を見ての通り、このフェンシングというスポーツは得点を判定するために電気審判機を使っています。

 

とっても簡潔に言うと、

審判機(光る装置)→選手→剣

は全て繋がっています。

①剣の先はスイッチになっており、相手を突くことで、スイッチがONになります。

②スイッチが入ると、身につけているケーブルを通り、審判機まで伝わることでランプが光ります。

③このとき、相手の判定面を突いていれば審判機のランプは赤あるいは緑色で点きます。例えば、緑が自分の得点で赤が相手の得点だと考えていいです。逆もまた然り。

判定面を突けていなければ、黄色のランプが点きます。このランプはいわゆる「無効点」というやつです。

※全身白タイツのような格好をよく見ると、胴体の部分だけ銀色になっています。それが判定面です。そこ以外は突いても全て無効点。

 

こんな感じで点を取り合います。

他にルール理解の難度を高めている、「攻撃権」というフェンシング最大の要素がありますが、これは複雑過ぎるので軽く話します。

 

 攻撃権について

試合を見てもらえば分かるのですが、選手同士が同時に突き合って、ランプが両方点くことがままあります。

このときに審判が得点を判断するために使う要素、それが「攻撃権」です。

端的に言えば、同時にランプが点いた場合、攻撃権を所有しているプレイヤーに点数が入ります。ですので、フェンシングは攻撃権の奪い合いであるとも言えるでしょう。これが難しく、そして超面白い駆け引きの部分でもあります。

攻撃権は相手の攻撃を捌いて終わらせたり、相手の剣を叩いたりすることで、得ることが出来ます。試合では大体相手を追っている方に攻撃権があります。

オリンピック等ではものすごいスピードで攻撃権のやり取りが行われているので、未経験者は勿論、場合によっては経験者から見てもヤムチャ視点です。

意味

ヤムチャ視点とは、レベルが高すぎて理解できない、動きが速すぎて見えない状態。
主に、ニコニコ動画で使われる。動画の演奏や内容がすご過ぎて、一般の人にはできない、理解できない際に使う言葉。

出典:http://bosesound.blog133.fc2.com/blog-entry-949.html

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ここまでで既に「スポーツ何やってたの?」から始まるような質問に対する解答として、世間話の領域では不可能だと思います。

 

質問③

「なんかいくつか種類あるよね?」

何気にこの質問をされることが多いのですが、これを聞くと「あれ?意外と知られてるんだな」と驚かされます。おっしゃる通りで、三種類あります。フルーレ、エペ、サーブルという感じです。水泳で言えば背泳ぎとクロールとバタフライみたいなものだと思ってください。それくらい違います。

フルーレ

上記はこの競技に則って説明しました。最もフェンシングとしては日本で知られている競技のはずです。試合人口も日本では体感1番多いです。判定面は胴体。剣は割とグネグネ曲がります。そしてよく折れます。私の高校時代ではフルーレをベースとして練習し、そこから残りの2つどちらかの競技を選びました。

エペ

フルーレでは限られた判定面の話をしましたが、この競技に限っては身体全てが判定面です。どこ突いてもOK。そして唯一三種類の中で攻撃権が存在しません。つまり同時突きも両者の点数になります。ただ、点差が離れている状態で同時突きをし続ければそのままの点差で決着がつくので、それゆえ試合も慎重な進み方が多いです。剣は重くてでかい。

サーブル

1番カッコイイと思うんですけど(偏見)

こちらの判定面はフルーレの判定面(胴体)から腕と頭を増やした「上半身すべて」になります。

剣先にポイント(スイッチ)はなく、刀身全てが判定に用いられます。要は剣のどこかで上半身を掠らせでもすれば点数になります。こちらのみフェンシングで「斬る」という表現を使われることがあります。そして攻撃権に凄くシビアな気がします。そのため攻めてナンボの競技であり、エペやフルーレとは違う緊張感があります。場所にもよりますが、練習内容が最もイカしてます。ちなみに私は高校時代はフルーレからこちらにシフトしました。なので贔屓してます。

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サーブル剣。名前を聞いて一番イメージしやすいと思います。

多少説明の熱にブレがありましたが、あまり気にしません。

 

質問④

「いくらくらいすんの?」

こちらもよく聞かれることでしょうか。当然サッカーのように最悪ボールさえあれば裸でも出来るスポーツとは違い、色んなものを購入する必要があります。ぱっと身につけるものだけ考えても8つ位は必要です。うろ覚えですが、8万くらいした気がします。親に感謝。

 

身につけるもの

マスク(10000~40000円)

エセ宇宙飛行士みたいなマスクです。かなり丈夫で、基本的に買ったらずっと使えます。汗をかきまくるやつは判定面が錆びていたり、あまり人から借りたいものではありません。

また、競技別で種類が異なり、サーブルは頭も判定面であるためにどこも銀色です。フルーレは首元だけ判定面。

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サーブルのマスク。全部判定面です。

 

シルバージャケット(8000~35000円)

サーブルとフルーレのみ必要。銀の部分ってやつであり、ここまで散々話されている判定面はここになります。上記の説明のようにサーブルは腕まで覆える形になっています。フルーレは胴体のみです。これも人によっては錆びます。そうなると突かれても審判機が判定しないというチートアイテムになるので、試合を行う前にチェックが成されます。

 

(組み方によってピンキリ。最低10000円?)

剣を構成する部品全部話すと、自分でも説明出来ないくらい細かいのでざっくりと。

ブレード…刀身です。競技によって異なる。意外と消耗品です。

ガード…日本刀で言うところの「柄」でしょうか。これも競技によって形が違います。有り得ないくらい傷が付く箇所です。

ヒルト…いわゆる持ち手です。サーブルは形に差はありませんが、フルーレとエペはいくつか種類があるみたいです。一般的にはビスコンチとベルギアンが多いと思いますが、この辺はもう覚えなくていいです。(横暴)

ちなみにプレイヤーの個人差が一番出るパーツです。自分の手に馴染むように長さを調整したり、敢えて持ち手を傾けて剣を作ったり…。

まだまだありますが、割愛します。大方この三つを組み合わせて愛刀を作ります。

 

 ユニフォーム(26000~100000円程度)

白タイツと呼ばれるアレです。特筆することはあまりありません。改めて調べると値段差凄いですね…。普通上下セットで買います。

 

プロテクター(12000円程度)

対刺突防御装置。臭いやつはこれが臭すぎる。日常的にこれを着ている機会が皆無なのと、ナイフを振り回す通り魔と会う可能性の低さのダブルパンチで、対ナイフとしての機能を確かめる術はあまりない。ただ忘れると試合させてもらえません。

 

グローブ(2300~10000円程度)

臭いやつpart2。何かしらの革っぽいのでサイズはキツめが結局手に馴染みます。剣を持つ手だけ装着する。

 

コード(3000円程度)

メタルジャケットと剣と審判機を繋ぐ導線のようなものだと思っていて大丈夫です。かなりよく壊れる。なので予備を持つのが常識です。

 

靴とソックス(人によります)

実は指定されたことはありません。それぞれ好きなものを履いています。ただ、滑りやすいのは致命的なピンチを生むのでグリップの効くものが好まれます。フェンシング用もあるらしいです。見たことだけあります。

 

ここまでが個人で用意するものです。

以降は個人で買うようなものではなく、施設に置いてあるようなものです。

 

審判(100000円~1200000円)

色んな種類がありますが、基本構造は変わりません。ただ共通して高価であり、落とすと死ぬほど怒られます。(2敗)

 

リール(50000~70000円程度)

選手が持つ「コード」を延長するものだと思ってください。同様に導線だと思って(ry

 試合を見ると選手の腰あたりから何か伸びていますが、アレがこのリールです。呼び方が合ってるか、唯一不安です。

 

ピスト(80000~1000000円程度)

マットのような細長い試合場です。ゴムだったり鉄製のものだったり、グレードの違いがあります。超絶重いので、一々引っ張り出して練習試合をするようなことはなかったです。

 

ピストを除いてここまであれば試合が出来ます。ハードル高けぇな…。そもそもこれらを用意している体育館やホールが少なく、未経験者が思いつきで始めてみるような手軽さは正直皆無でしょう。

 

おわりに

ざーっと聞かれることとしては、こんな感じです。淡々と説明してはおりますが、私の知り合いには現役でフェンシング続けている友人もいるので、彼らからすればまだまだ至らない説明かもしれません。(保険)

ただ、何も知らない人が何も知らない人に説明する分には、ドヤ顔出来る量の情報量は載せたとは思いますので、機会があればお話してみて下さい。フェンサーとして騙ってもバレません。嘘ですやめてください。

 まだまだ説明出来ていないルールはありますが、冗長になるのもアレなのでここで止めておきます。

最初のハードルさえ超えられれば本当に面白いスポーツです。やってみて、とまではいいませんが、上記の知識を踏まえて(特に攻撃権)試合観戦をしてみるとイイと思います。

 

まとめ:サーブルが一番楽しい

 ※個人の感想です。